海外旅行には行きたいが、時間と費用の面で悩んでいる方は注目!仁川には、わざわざ遠くへ行かなくても異国情緒を味わえるスポットがある。
フランス・ジヴェルニーのモネの庭に似た公園、バリ島のリゾート感が味わえるカフェ、アメリカ西部のグランドキャニオンを思わせる海蝕洞窟、日本の下町のような風景が見られる通りなど。
パスポートなしで世界旅行気分に浸れる仁川の異国情緒あふれるスポットをご紹介する。
モネの絵画のような美しい風景が広がる連喜自然マダン
連喜自然マダンは仁川アシアード主競技場の近くにある生態公園で、最近は都市にいながら自然を満喫できるピクニックスポットとして注目を集めている。
ここは初めから公園だったわけではない。無分別な開発で土地が荒れ、そのまま放置されていたが、環境部(日本の省に相当)と仁川市の継続的な生態復元事業のおかげで、現在の美しい姿を取り戻した。
連喜自然マダンは、「韓国のジヴェルニー」とも呼ばれている。
大きな池と柳の織りなす風景が、フランスのジヴェルニーにあるモネの庭に似ているからだ。
ジヴェルニーにはモネが住んでいた家と庭が残っており、そこが彼の代表作『睡蓮』連作の舞台でもある。
連喜自然マダンも、モネの庭のように緑豊かな遊歩道に沿って水彩画のような風景が続いている。
眺望台から群れをなして飛ぶ鳥を観察するもよし、ベンチに座って休むもよし。
柳が日陰を作っている池のほとりはピクニックシートを広げるのに最適。垂れ下がった柳の枝の間から、穏やかな湖をただボーッと眺めるのもいいかもしれない。
泳いで目の前を通り過ぎるマガモ、湖畔に咲く小さな花など、どこを見渡しても癒される。シャッターを押すだけで「モネの庭」のような絵になる写真が撮れる。
バリ島のリゾート感が味わえる仙才島
西海岸に面した仁川は、185の島を擁する海洋都市。その中には、CNNの選ぶ「韓国の美しい島33選」で1位に輝いた島がある。
仙女(天女)が舞い降りた島という意味の仙才島だ。仙女が舞い踊るほど美しい自然に恵まれ、車で橋を渡って簡単にアクセスできるのも魅力。
仙才島は、バリ島のビーチリゾートを思わせるカフェや干潟喫茶店(ポルタバン)があることでも知られている。
ヤシの木のパラソルやサーフボード、ラタンの椅子や照明の装飾が調和してリゾート感満載。干潟に設置された木のブランコなどのフォトスポットは、老若男女を問わず人気がある。
ビーチに面したテラスでは、モク島を眺めながらのんびりとコーヒーを楽しめる。
メニューは、毎朝焼いているパン、干潟をイメージして香ばしいブレンドミルクにカカオクリームをのせた飲み物「ポルクアップ」がおすすめ。
仙才島からモク島までは1日2回の干潮時に歩いて行くことができる。普段は海で隔てられているが、潮が引くとモク島まで続く道が現れ、「モーセの奇跡」と呼ばれる神秘的な風景が広がる。
ついさっきまで海だったところを歩く体験は、それだけでも特別な感じがする。周りの干潟と違って固い砂の道ができるため、ぬかるみに足を取られることなく誰でも安心して歩ける。
[TIP]
- モク島へ行く前に1日2回海の道が開かれる潮汐時間を要チェック!
韓国のグランドキャニオンと呼ばれるノガリ海岸の海蝕洞窟
仙才島から車で10分ほどのノガリ海岸は最近、霊興島で最も魅力的なスポットに数えられている。
養殖場のある海岸の端から5分ほど歩くと巨大な岩山が現れ、何層もの堆積岩からなる崖がアメリカのグランドキャニオンを彷彿とさせるからだ。
ここの一番の秘境は、干潮時に姿を現す海蝕洞窟。風と波が長い年月をかけて作り上げた作品でもある。外から見ると小さそうだが、中に入ると3mほどの奥行きがあり、ゆったりとしている。
特別な写真を残したいなら洞窟の中に入り、外に向かって写真を撮ろう。洞窟の上にある松の枝が見えるように画角をできるだけ広くとると、より素敵な写真が撮れる。
時間に余裕を持って撮影するには、必ず潮汐時間をチェックしよう。
*低潮時間の前後1~2時間ほどあれば十分に見て回ることができる。入り道はでこぼこの砂利道なので、スニーカーを履いて行くことをおすすめする。
*低潮:潮が引いて海水面が最も低くなった状態
- 住所仁川広域市甕津郡霊興面外里23-1
- お問い合わせ+82-32-899-3814
- 利用時間年中無休
日本の下町のような風景が見られる仁川開港ヌリキル
仁川の中区庁へ向かう上り坂を歩いていると、まるで日本の静かな下町のような風景が見られる。仁川開港ヌリキルは、日本統治時代に日本人が住んでいた通りで、日本式の木造建物があちこちにあり、独特の雰囲気を醸し出している。
びっしりと立ち並ぶ日本式建物の中には、銀行や会社、ホテルや別荘など、120年以上前の開港当時に建てられた建物がたくさんある。
現中区庁の建物は、日本が開港後真っ先に設置した領事館だった。解放後は仁川市庁舎として使用され、1985年からは中区庁舎として使用されている。
かつての日本第一銀行仁川支店は仁川開港博物館に変身した。エキゾチックな石造りの建物内には、当時の銀行の金庫や2階のアーチ型装飾がそのまま残っている。
また、他の建物はカフェや工房、ギャラリー、独立系書店など、様々な文化空間として活用されている。
その中でも、日本の貿易会社の事務所兼宿所だったカフェPot-Rは、近代文化遺産に登録されており、建物自体の保存価値が高い。
3階建ての木造建物内には、1900年代の仁川の風景を収めたポストカードや当時使われていた電話機など昔のものが展示されており、小豆餅や長崎カステラなどの和菓子も食べられる。
他にも、開港当時に仁川在住外国人向けの社交の場として利用され、ドラマ『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』のロケ地としても有名な済物浦倶楽部をはじめ、韓国初の西洋式ホテルである大仏ホテル、旧市長官舎、
日清租界地境界階段、日本の貿易会社の倉庫から複合文化施設に生まれ変わったアートプラットフォームなど、様々な近代建築物が路地に沿ってびっしり並んでいる。
この一帯は自由公園、チャイナタウン、松月洞童話村など近隣の観光スポットにも近いので、半日コースを組んで回るのにちょうどいい。
夕暮れ時に一つ、二つと灯る街灯の明かりは、昼間とは違った雰囲気を醸し出す。
[TIP]
- 文化観光解説士による無料の徒歩観光解説あり(火~日曜日の10:00~17:00に利用可能、7日前に予約が必要、日本語、ドイツ語の解説は電話で予約可能)
- カフェPot-Rのメニューのうち小豆入りカキ氷は1日100杯、長崎カステラは1日30個の限定販売
- 住所仁川広域市中区済物梁路218番ギル3
- お問い合わせ+82-32-760-6456
- 利用時間年中無休