初夏は花が散って新緑の葉が色濃く生い茂る時期。 どこか出かけるのにちょうどいい時期はいつも短く、親と一緒にいられる時間もしかり。今こそ迷わず親と出かけてみてはいかがだろうか。 頭上を飛ぶ飛行機と親を1枚の写真に収められる庭園から、階段を上らずに壮大な風景が望める展望台まで、親の感嘆を誘う仁川の名所をご紹介する。
ハヌル庭園は、仁川国際空港第1旅客ターミナルの南東にある36,000㎡の広い公園。 春は菜の花、秋はコスモスやススキが咲き乱れて壮観だ。平坦な遊歩道を歩いたり、花畑で写真を撮ったり、空を横切る飛行機を見たりできるので、家族連れに最適。
ハヌル庭園の最大の魅力は、仁川国際空港の滑走路に離着陸する飛行機を頻繁に見られること。 仁川空港公社が空港建設後に遊休地を活用して造成した公園なので、他のどこよりも間近に低く飛ぶ飛行機を見ることができる。 特に5月中旬から6月初めにかけては、満開の菜の花が目を楽しませてくれる。 真っ黄色の花畑で頭上を通過する飛行機を見上げる体験は、親世代にとって特別な思い出になるはず。
飛行機は5~10分間隔で見ることができ、「Flightradar24」などの航空機追跡アプリを使えば、好きなタイミングで飛行機と親を1枚の写真に収めることができる。
離陸する瞬間よりも、着陸する飛行機を撮った方が写真に大きく写る。ミニ温室や東屋などの多彩な施設・オブジェも、映える家族写真を撮りやすくしてくれる。
[TIP]
- 公共交通機関を利用する場合は、仁川国際空港第1旅客ターミナル3階の3・12番ゲートまたは空港鉄道空港貨物庁舎駅から国際業務団地方面(AICC)の無料シャトルバスに乗車し、ハヌル庭園臨時停留所で下車
- 帽子や日傘などの日差し対策をお忘れなく!
関係者以外立入禁止だった仁川市長の官舎が、誰にでも開かれた歴史文化施設に生まれ変わった。
仁川市中区にある仁川市民愛の家のことだ。
「仁川市民愛の家 旧市長官舎」の銘板がかかった門を通ると、すぐに緩やかな曲線の*軒が目を引く。
開港期にはドイツ人居留地として、日本統治時代には日本人実業家の別荘として使われていた場所を1960年代半ばに仁川市が買い取り、既存の建物を取り壊して現在の韓屋を建てた。
1966年から2001年まで17人の仁川市長が過ごした場所だ。
*軒:韓屋の屋根の端で、外側に張り出した部分。家を雨や日差しから保護する役割を果たす。
仁川市民愛の家は大きく3つの空間に分けられる。 官舎をリフォームした近代韓屋は「1883モダンハウス」、前庭と庭園は「済物浦(チェムルポ)庭園」、仁川港を見下ろす警備棟は「歴史展望台」と呼ばれている。 残念ながら、済物浦庭園は6月中旬まで補修工事中(日程は変更可能性あり)。
中心的な建物である1883モダンハウスは、親と一緒に韓屋の趣を味わい、仁川の歴史や文化を体験するのに最適。 様々な展示が行われる企画展示室、塗り絵などのちょっとした体験ができるテチョンマル憩いの場、ガラス窓越しに爽やかな庭園が見えるサランチェ憩いの場、 小さな集まりに最適なランディス茶園など、様々な楽しみが詰まっているからだ。市長の官舎だった当時、テチョンマルは宴会場、サランチェは執務室、 ランディス茶園は主棟として使われていたという。 サランチェ憩いの場では、地元の書店が選定した仁川関連の本に目を通し、ガラス窓から差し込む午後の日差しを浴びながら韓屋の風情を満喫できる。
世にカフェは数多くあれど、親と行くのに適したカフェにはいくつか条件がある。 広い駐車場を完備し、親に共感してもらえる話題があり、親の口に合うスイーツも必要だ。 これらすべての条件を満たしている店がある。仁川市西区に位置する複合文化施設兼大型ベーカリーカフェ「コスモ40」だ。
コスモ40の建物は、二酸化チタンを生産するコスモ化学の工場だった。 1970年代から40年以上にわたり佳佐洞工業団地にあったコスモ化学が2016年に蔚山に移転して建物が空いたため、40号棟をリノベーションしたものだ。 硫酸を再精製していたこの建物も他の建物と同様に取り壊される予定だったが、現在のコスモ40オーナーの目に留まり、文化施設に生まれ変わった。
空間のあちこちに過去の面影が残っている。 既存の建物に新築の建物をつなげて昔の工場の構造を最大限保存し、電気室や運搬機械「ホイスト」などの各種設備も残している。 そのため親の世代にとっては昔を懐かしみ、若い世代にとっては感覚的な建物を見ながらインスピレーションが得られる場となっている。 建物自体が巨大なフォトスポットなので、どこにカメラを向けても映える写真が撮れる。
1~2階が吹き抜けのボイドホール(Void Hall)は、展示、公演、パフォーマンスなど、幅広いジャンルの文化芸術空間として利用されている。 カフェラウンジは3階にある。高い階高と剥き出しの鉄骨、塗装の剥がれた波形鋼板が独特の雰囲気を醸し出している。 パンが美味しいと評判で、特に明太子塩パンとじゃがバターフォカッチャが人気。施設も整っている。 エレベーターでフロア間を移動でき、入口もバリアフリーになっている。
階段を上らずに壮大な風景が望めることは、観光地までのアクセスを重視する親世代にとって大きなポイント。その点でアラマル展望台は合格といえる。
アラマル展望台は、桂陽山の峡谷地帯にある直径46mの円形展望台。名前は韓国民謡『アリラン』のサビ部分「アラリオ」に由来する。 展望台に上がると、足下には黄海と漢江を結ぶ長さ18kmの人工運河「京仁アラベッキル」が見下ろせる。 展望台まではエレベーターでアクセスでき、ウッドデッキは傾斜が緩やかで車椅子でも移動できる。
展望台の最大の魅力は、安全にスリルを楽しめること。 床には三重、手すりには二重の強化ガラスが使用されており、ヒヤヒヤしながらも安心感がある。 冒険的なアクティビティには抵抗があるものの、ちょっとしたスリルを味わいたい親世代にはもってこいのスポット。 穏やかな運河を眺めながら一緒に歩き、親の写真を撮ってあげるのもいいかもしれない。山麓と運河が織りなすパノラマ風景は、家族写真の背景として申し分ない。 展望台が特に美しいのは夕暮れ時。日が沈むと手すりや床に虹色の照明が灯り、幻想的な夜景を演出する。
展望台から歩いて5分のアラ滝(4月~11月稼働)にもついでに立ち寄ろう。幅150m・高さ45mの人工滝で、水しぶきを上げて流れ落ちる様が涼しげだ。滝の横にある階段からは、白く砕ける水しぶきを間近で見ることができる。