先人の知恵を垣間見ることができる歴史的な遺跡から、商人の温かい人情と温かい食べ物であふれる伝統市場、家族みんなで和気あいあいと楽しい思い出作りができる伝統体験スポットまで、好みで選んで楽しもう。
仁川の歴史的な瞬間が刻まれたスポットのほか、ドラマのロケ地やフォトスポットなど周辺の様々なスポットも併せてご紹介する。
華やかな都心とは対照的な魅力のある松島韓屋村
松島韓屋村は異国情緒あふれる松島セントラルパーク内にあるので、散歩がてら立ち寄るのにちょうどいい。
現代的な超高層ビルと伝統美あふれる韓屋が共存しながら独特の魅力を放っており、庭を中心に韓屋が配置されていて居心地が良い。
韓屋には様々なレストランやカフェが入居しており、その中でも炭火焼きと韓定食のコース料理を組み合わせた高級レストラン「景福宮」とソウル式韓牛プルコギ専門店「ハニャン」が特に有名。
カフェ「HOLLYS(ハーリス)」では、ガラス張りの窓越しに広がるセントラルパークの景色とともに、生いちごラテや生いちごジュースなど、いちごの季節限定メニューを楽しむことができる。
韓屋村のすぐ隣には、5つ星韓屋ホテルの慶源斎アンバサダー仁川がある。名だたる工匠たちが手掛けた慶源斎は、韓屋の魅力を存分に楽しめる空間。
昌慶宮、浮石寺、修徳寺などの主要文化遺産の復元に携わった大木匠のチェ・ギヨン氏(国家無形遺産)をはじめ、*翻瓦匠、*漆匠など各分野で最高の職人が建築に携わり、韓屋の美しさを完璧に再現した。
*翻瓦匠:屋根を瓦で葺く職人
*漆匠:木工で木に漆を塗って仕上げる職人
このように際立った空間美から、『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』、『愛の不時着』、『財閥家の末息子~Reborn Rich~』など、数多くの人気ドラマがここで撮影された。韓流ファンなら、
一晩泊まってドラマのシーンを振り返ってみるのも新鮮味があって面白いかもしれない。
宿泊客向けの韓服レンタルサービス(有料)を利用して、韓屋をバックに素敵な写真を残すこともできる。
松島韓屋村が位置するセントラルパークでアクティビティも楽しもう。水辺を散歩したり、ボートで水路を巡ったりできる。
第1駐車場入口側のイーストボートハウスでボートを貸し出しており、三日月型のムーンボートや馬車型のシンデレラボートなど、珍しい形のボートに乗って異色の体験ができる。
[Tip!]
- 仁川の歴史を興味深く展示している仁川都市歴史館が松島韓屋村から徒歩5分のところにあるので、併せて訪れてみてはいかがだろうか。
- 松島韓屋村へのアクセスは、仁川国際空港からリムジンバス(6777番)に乗って仁川総合観光案内所前のバス停で降りると便利。
- 松島韓屋村から徒歩5分のところに仁川総合観光案内所がある。外国語担当者(英語、日本語、中国語)が常駐して対応しており、様々な外国語の案内資料も用意されている(旧正月当日は休業)。
- 仁川国際空港とセントラルパーク、その他仁川の主要観光地を巡るシティツアーバスも仁川総合観光案内所前から乗車可能(都合により1~2月は運休、3月から運行再開予定)。
- 住所 仁川広域市延寿区テクノパーク路180
- お問い合わせ +82-32-832-3031(仁川総合観光案内所)
- 利用時間 施設によって異なる
ユネスコ世界遺産の支石墓と併せて観覧しながら歴史を学ぶ場、江華歴史博物館
韓国で4番目に大きい島、江華島。江華島は先史時代から近現代に至る様々な時代の遺跡があり、「屋根のない博物館」と呼ばれている。
江華島の目まぐるしい歴史を一度に見ることができる江華歴史博物館は、江華島旅行をさらに充実させてくれる空間だ。
2つのフロアに分かれた展示室では、先史時代から高麗時代、朝鮮時代を経て近現代に至る江華の歴史と文化が紹介されている。
文字だけでなく遺物やレプリカ、ジオラマ、映像なども活用した立体感のある展示なので、子どもでも飽きずに観覧できる。
ドーム型のデジタル実感映像館では、朝鮮第25代王(哲宗)の物語と江華で起きた朝鮮時代の主な戦闘「*辛未洋擾」を扱った物語がリアルに映し出される。
また、インタラクティブな展示により、映像館が江華の干潟に変身することもある。子どもも大人も干潟に入り、逃げ回るカニを捕まえるゲームが楽しめる。
*辛未洋擾:1871年に外国勢力が江華島に侵攻した事件
朝鮮時代の韓屋を再現した「韓屋室」、屋外の支石墓公園を眺めながらくつろげるカフェテリアなど、ささやかな魅力も見逃せない。
ミュージアムショップでは、花紋席や江華獅子足ヨモギなど江華の特産品も一緒に販売している。
博物館の隣には江華富近里支石墓(史跡)と江華自然史博物館がある。
支石墓は青銅器時代の代表的な墓の様式。地中に棺を埋め、その上に大きく平らな岩をテーブルのように組み立てた北方式支石墓が、江華島に40基以上密集している。
最も大きいものは高さ2.6mに達する。その特別な価値が認められ、ユネスコ世界文化遺産にも登録されている。探訪路に沿って様々な形の支石墓を見て回り、江華自然史博物館も観覧しよう。
歴史と自然に触れる日帰りコースとして申し分ない。
[Tip!]
- 周辺スポットの利用時間もチェック!
江華自然史博物館:火~日曜日 9:00~18:00 / 毎週月曜日、旧正月当日休館
- 外国語(英語、中国語、日本語)のパンフレットが用意されている。
戦争の傷跡が残る美しい要塞、江華草芝鎮
江華島は歴史的に軍事的要衝としての役割を果たしてきたことから、国境の防衛と警備のために設置された*鎮、*墩台などの国防遺跡がたくさん残っている。
草芝鎮もその一つで、辛未洋擾と*雲揚号事件の際に激しい戦闘が繰り広げられた歴史的な場所だ。
当時の草芝鎮は完全に破壊され戦闘の傷跡を残していたが、1973年に草芝鎮の一部である草芝墩だけが復元され、今日に至っている。
*鎮:朝鮮時代に軍事的に重要な地点に置かれた軍営
*墩台:敵の動きを見張って攻撃に備えるため、領土内の国境地域や沿岸地域を監視しやすい場所に設けた哨所
*雲揚号事件:朝鮮時代(1875年)に外国勢力の不法侵入により起きた衝突事件
規模はさほど大きくないが、城壁内には戦時中に使用された大砲が、城壁の外には砲弾の破片による傷跡を残す松の木があり、歴史的な意味を改めて考えさせられる。
城壁沿いに広がるパノラマビューもついでに堪能できる。干潟に面した西海と長さ1.2kmの江華草芝大橋も清々しく見渡せる。
歴史が息づく景勝地、自由公園
仁川開港場一帯は、近代建築物や文化遺産が立ち並んでおり、韓国の近代史を体感できる場所だ。
その場所柄から「韓国初」を冠するスポットがたくさんあり、韓国初の西洋式公園である自由公園もその一つ。西洋式公園とは、西洋の造園様式を取り入れた公園のことだ。
仁川が開港して5年後の1888年に造られたので、その歴史は140年にも及ぶ。
長い年月を経て仁川の代表的な公園となっただけあって、仁川や開港場一帯で起きた歴史的事件の記録も、公園のあちこちで確認することができる。
韓国戦争で祖国のために命を捧げた犠牲者を追悼する記念塔、大韓民国臨時政府樹立に関する記念碑、韓米修交100周年を記念して建てられた記念塔など、その深い歴史を証明する痕跡が残っている。
自由公園は歴史的な場所であることに加え、市民の憩いの場としても愛されている。
遊歩道がよく整備されており、夜景や眺めも素敵だ。開港場の高台にあるので海と調和した街並みを眺めるのにちょうどよく、特に展望台の役割をする石汀楼からの眺めは絶景。
仁川を代表する桜の名所でもある。
自由公園はドラマのロケ地としても有名。『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』、『社内お見合い』、『ムービング』など、様々な人気ドラマがここで撮影された。
『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』に登場した済物浦倶楽部は、仁川に住む外国人たちの社交場として使われていた建物で、時代の変化とともに様々な用途に活用され、2007年に昔の姿に復元された。
現在は複合歴史文化空間として多彩な展示や公演などが行われており、旧正月連休中は休業となる。もし建物の中を見られなくても、コン・ユとイ・ドンウクが立っていた階段の前で記念撮影できれば訪ねた甲斐があるというもの。
[Tip!]
- 周辺スポットの利用時間もチェック!
済物浦倶楽部:火~日曜日 9:30~17:30 / 毎週月曜日、旧正月連休は休業