軒先の風鐸の音が沈黙を破ります。屋根の向こうには豊かな森があり、波が引いては押し寄せる海が広がっています。由緒あるお寺を求めて山奥まで行かなくても大丈夫。仁川にある大小のお寺を訪れるだけでも、歩みはゆっくりになり、心は広くなります。
伝灯寺
高句麗の小獣林王11年(381)に創建された伝灯寺は、韓国で最も古い寺院で、1600年を超える歴史を誇ります。檀君王倹の三人の息子が築いたという鼎足山三郎城の中にあります。伝灯寺は、大雄殿、薬師殿、鉄鐘など、宝物だけで6点を保有しています。お寺全体が貴重な文化財であるわけです。伝灯寺は、江華島で規模の最も大きなお寺です。お寺の西側には、『朝鮮王朝実録』が保管されていた鼎足山史庫の跡が残っています。境内にある韓屋造りのお茶屋さん「竹林茶園」は、静かな雰囲気の中でお茶がいただけるスペースです。伝灯寺のテンプルステイは、外国人にも人気です。
-
住所
仁川広域市江華郡吉祥面伝灯寺路37-41
-
電話番号
032-937-0125
-
拝観時間
08:00~18:30(夏期)、08:30~18:00(冬期)
-
利用料金
大人 4,000ウォン、青少年 3,000ウォン、子ども 1,500ウォン、満65歳以上・未就学児無料
- ホームページhttps://www.jeondeungsa.org
普門寺
新羅の善徳女王4年(635)に懐正大師が創建したと伝えられています。南海菩提庵、洛山寺紅蓮庵と共に韓国三大海上観音祈祷道場に数えられます。また、伝灯寺、浄水寺と共に江華三大古刹となっています。普門寺はあちこち見どころの多いお寺です。大雄殿そばの階段を10分ほど上ると、洛迦山の中腹にある眉毛岩の下に、巨大な岩壁に刻まれた普門寺磨崖石仏座像(仁川広域市有形文化財)が姿を現します。9mを超える磨崖石仏座像は、お寺を訪れた参拝客と広々とした西海を懐に抱いています。美しいことで有名な普門寺の日没を見るために、四季を通じてたくさんの観光客が訪れています。650年頃に漁に出た漁師たちが海から引き揚げた羅漢像が安置されている普門寺石室は、韓国では珍しい石窟寺院です。
- 住所仁川広域市江華郡三山面三山南路828番ギル44
- 電話番号032-933-8271~3
- 拝観時間07:00~19:00(夏期)、07:00~18:00(冬期)
- 利用料金大人 2,000ウォン、中高生 1,500ウォン、小学生 1,000ウォン、満65歳以上・未就学児無料
- ホームページwww.bomunsa.me
龍宮寺
永宗島白雲山の北東の麓に佇むお寺。雰囲気は素朴なほうですが、創建されてから1350年以上になる古刹です。新羅の文武王10年(670)に元暁大師が創建しました。白雲寺、瞿曇寺などと呼ばれた後、興宣大院君が息子の高宗が王位に就くことを祈願しながら滞在し、今日の名前になりました。高宗の即位後、興宣大院君は龍宮寺の扁額を自ら書いて下賜しています。山の中にあるお寺が海と関連する名を持つことになったのは、次のような昔話にまつわるものです。永宗島に暮らすある漁師が、自分の網に何度も掛かった玉の仏像をお寺に安置したことから、龍宮寺と呼ばれるようになったという説話です。残念ながら、玉の仏像は日本植民地時代を経て消失してしまいました。お寺には観音殿、龍皇閣、寮舍寨などの建物と、高さ11mに上る彌勒仏があります。樹齢1,300年を超える巨大な二本のケヤキは、婆の木・爺の木と呼ばれており、境内に趣を添えています。
興輪寺
高麗の禑王2年(1376)に懶翁和尚が創建したお寺です。清涼山の裾野にあります。黄金の仏像と黄金の鐘などがあり、境内は華やかです。丁酉再乱(1597)の際に焼失して跡だけが残っていましたが、1960年代半ばに法輪和尚が再建して今日の名前になりました。興輪寺神衆図(仁川広域市文化財資料)、興輪寺阿彌陀仏図(仁川広域市文化財資料)など、文化財9点を保有しています。2020年には、文化体育観光部から伝統寺院に指定されています。伝統寺院とは、時代的な特色がはっきりしていたり、韓国固有の仏教・文化・建築史の流れを理解する上で重要な遺産となるお寺のことです。境内からは西海と仁川大橋を望み、巨大な金の仏像の後ろに沈む真っ赤な夕陽は見逃せない絶景です。
- 住所仁川広域市延寿区チョンニャン70番ギル40-18
- 電話番号032-832-1133~4
- 拝観時間00:00~24:00
- 利用料金無料
- ホームページwww.hrt.kr
989
